今年もスノーモービルの乗り入れ規制パトロールとスノーモービル利用者への普及啓発のため冬山巡視がはじまりました。茶臼岳に5回、八幡平山頂に2回の巡視を予定しています。
茶臼岳の御在所登山口は、この晴天があたった幸運な人たちの車がずらり。スキーとボーダーの方たちです。気温の高い日がないので積雪がない割には雪質が良いそうです。
キャットを利用して、今日は「大黒森」まで移動します。二時間ほどの時間短縮になります。
「大黒森」に楽々到着。眺望は素晴らしい!の一言に尽きます。この方たちはキャット同乗の方たちです。
キャットのスタッフの方が絶賛する通り、霧氷も”素晴らしい”の一言。難しい表現はできませんが、荘厳とか、妥協を許さない厳しさとでもいうのでしょうか。久しぶりの茶臼は私たちを歓迎してくれたようです。
この森に暮らす動物たちが雪面に足跡を残しています。ウサギとテンでしょうか、足跡が交差しています。手前のウサギは並足、写真中央を横断するウサギはダッシュしているようです。
いったい、どんな物語があったのでしょう。
「大黒森」から鞍部を過ぎて「恵比須森」を目指しています。すでに何人かのトレースが付いて、ラッセル無し、風もなし、楽をしています。
と、休憩で立ち止まった「恵比須森」の西側斜面にスノーモービルのトレースが付いています。
できれば、今日の予定ではスノーモービル規制の看板の確認をしたいと思ったので早めに終了したいと思っていたのですが、現場の確認をすることにしました。
登山道を外れて、先ほどの「恵比須森」西側の斜面に向かっています。
どうやら、この場所に乗り入れたのは一台。トレースは新しいので昨日ぐらいに付いたもののようです。この場所はまだ乗り入れ禁止区域ではないのですが、登山道上と数百メートル離れた「黒谷地湿原」であれば自然公園法違反という行為になります。このスノーモービルはどこから入ってきたのでしょう?確認の必要があります。
このスノーモービルはツリーホールに落ちたようで、スコップで掘り起こした跡があります。脇のオオシラビソに枝折れが確認できます。
それにしても、雪の造形が面白くて、ついつい脇にそれてしまいます。こんもりした雪の造形はベースがオオシラビソの若木ですが、今日は晴天ゆえ、その影も面白いな~と見入っています。
昨年はこの斜面の下側にスノーモービルのトレースがありましたが、今日の所はありません。
どうやらトレースは確認できないのでここで登山道に戻ろうと思います。
今年の天気なのでしょうか、風で雪面のウネが強く迂回、迂回を強いられています。
間もなく登山道と思っていたら、再びスノーモービルのトレースを発見。真っすぐに「黒谷地湿原」に向かっています。この場所はアウト!です。
「黒谷地湿原」から「源太森」に向かう登山道上にトレースが付いていましたが、それは樹氷原に向かう登山者のものでした。このスノーモービルは「黒谷地湿原」の北側の沢に、入ってきたものか出て行ったものかは不明ですが、トレースを残していました。
なだらかな八幡平のポコッと見えるピークが「源太森」標高の高いところのオオシラビソが白く見えています。樹氷が見ごろを迎えているのでしょうね。
少し遠回りになってしまいましたが、昼食を摂るため「茶臼山荘」に向かいます。
小屋の中の温度計は-4度、風はないので寒さは感じなかったのですが、外気温はどれくらいだったのでしょう。例年、冬季出入口をふさぐほどの雪が付いているのですが、除雪をしなくても小屋にはいれました。
茶臼の斜面にはスキーとスノーボードのトレースが一杯ついていました。この辺りは風が強いのでガリガリの雪質になることが多くて苦手なのですが、今日の雪質は最高!でした。
茶臼山頂は時間の都合で省略して、下山後、3カ所に取り付けたスノーモービルの規制看板の確認に行きます。
吹雪かれることの多い冬山巡視ですが、まずは幸先の良い1回目となりました。
いつも、こうだといいなとは思いつつ、このままで終わるはずがありません。ただ、回を重ねるたび春が感じられるようになり、最終回の頃はアスピーテラインの除雪作業が始まります。
新緑の春を待ち遠しく思いながらも順番コ。次は八幡平の樹氷原です。
あべ