今年も冬山巡視が始まりました。初回の本日はスノーモービルの乗り入れ禁止の規制看板の取り付けがメインになりますが、御覧の通りの快晴です。

昨日、この駐車場のある御在所では30㎝ほどの積雪があり、道路の除雪はまだ行われていました。

もったいないような晴天のもと、キャットの世話になりながら大黒森の鞍部まで運んでもらいました。

さて、ここから私たちの冬山巡視茶臼岳Ⅰの本番が始まります。

ずっと茶臼岳は見えています。ダケカンバの若い木たちは霧氷姿で出迎えてくれています。雪の沈み込みは、スキーを履いてくるぶしの上あたり、粉砂糖のような少々重い雪が気になる程度、視界は見渡す限り、という贅沢。

恵比寿森の手前はまだ積雪が不十分なのかダケカンバの若い木たちに道をふさがれています。年々木たちの成長につれてなのか、迂回を余儀なくされます。

キャットの車窓からウサギたちの足跡をたくさん見ていましたが、冬芽の食痕があちこちにあります。フムフムと見入ると、ダケカンバの冬芽というよりは枝を口に入れ、忙しくバリバリと咀嚼し、冬芽は落とし放題。どうやら、冬芽を食べるのではなく冬芽の付いたあたりを食べているようです。

そして、散らかしたまま立ち去りました。

恵比寿森のピークからはこの通りの眺望。茶臼岳東側斜面には昨日のものなのでしょうか、スキーのトレースが一杯見えています。ここから先は誰の踏みあともありません。

誰の踏みあともないはずが、ウサギたちがツリーホールを避けて通っています。ゆっくり歩いたトレースです。一見複数の痕跡に見えますが、単独の痕跡かもしれません。何度か行ったり来たりしたようでどんな理由があったのでしょう。道案内はタノンエイませんが、トレースは私たちの進行方向に延びています。

緩やかな起伏とツリーホールのシャープなラインに気持ちを奪われている”ゆとり”があります。

多分これは同じ個体。こだわりがあるものか、足をそろえて右と左に進んでいます。チョンチョンと跳ねていますが、スタート地点に足をそろえることの意味が今一つ分りません。

そして、出ました。ウサギとテンの交差点。ウサギの方はやや急いでいるようですが、少し時間差があったようです。双方ともに気が付いていたのでしょうか。

さらに、今度はオコジョ登場。ウサギは手前の方に進んでいますが、右側の小さなオコジョの方も踏圧を見るとこちらの方に進んでいます。そして前後の足の間隔は全力疾走かな、と思えるような開きがあります。私の位置でラインはクロスしています。

この先を知りたいと思いましたが、残念ながらこれ以外の痕跡はありません。ヒト的には命を懸けた”バトル”とでも言いたくなりますが、彼らにすれば日常的な”食事にありつけなかった風景”とでもいうかもしれません。

ウサギたちばかりに目が行きましたが、間もなく茶臼避難小屋です。樹氷ではありませんが一様にフワ~と雪をかぶっています。

小屋到着です。間もなく八幡平に向かうという泊り装備の二人組が通過しました。戻りの行程で、外国人の方たちをはじめ、2~3組の方たちとすれ違いましたが、私たちのあっちに寄ったり、こっちに寄ったりのトレースをはみ出さずに踏んでいるのが愉快でした。

茶臼山荘周辺の雪の付き方はいつものようと思いました。隠れていることもある冬季出入口も出ていて、昨日なのか、小屋に出入りした人たちのあとがついていました。

この天気にこのまま下るのは、少しもったいない気がしますが、本命の規制看板取り付けに向かいます。

松川温泉と柏台安比スキー場付近など計4カ所に規制看板を取り付けました。写真の柏台にはすでに複数台のスノーモービルのトレースがついていました。松川温泉でも先月、スノーモービルの目撃があったそうです。

   あべ