3月12日、朝から青空の広がる穏やかなお天気の中、21日に開催予定の「栂森スノートレッキング」の下見を行いました。
冬から春へと変わりゆく山の様子を楽しむイベントの下見です。

ひんやりとした空気が心地好く、雪の白さが目に眩しく感じられる中でのスタート。

数日前に降った雪が木々を飾るブナ林を歩くと、まだまだ冬の装いが強く思えますが、何処となく春を感じるのは日差しのお陰でしょうか。

雪に埋もれたコシアブラの周りにウサギの足跡が残されていました。
枝先を鋭い刃物で切ったような食痕を見て、ウサギの歯の切れ味の良さを想像出来ます。

途中、木々の間に畚岳。

雪紐などの冬らしい光景も見ながら進むと、空が開けて目の前に広い雪原が姿を現しました。
グリーンシーズンには多くの花々で賑わうベコ谷地です。

ベコ谷地を過ぎて栂森へと続く稜線へ。
登り進むにつれて、ブナ林からオオシラビソ林へと植生が変化していく様子を見る事が出来ると共に、どんどん空が近づいてくる感覚を覚えます。

立ち並ぶ背の高いオオシラビソに近づくと、枝に垂れ下がる幾つもの氷柱は過行く季節を惜しむ冬の涙。

観察を続けると、昨年の球果が全て崩れずに残っていました。

更に標高が上がる程、オオシラビソの様子が変化していきます。
だいぶ空も近くなりました。

栂森手前のピークに辿り着くと、そこには白と青の世界が広がっていました。

数は少ないですが、小さな樹氷たちがお出迎え。

積雪深が浅く、姿を現した灌木類も凍り付いています。

栂森山頂から焼山の姿を捉えようと進むと、辺りは無数の兎の足跡。
お天気が少し下り坂になると風が強く吹くこの場所はあまり雪が積もらない為、厳しい環境下にあっても彼等にとって格好の採餌場なのでしょう。
ですが、この日は風のない穏やかな天候で、「風の栂森」を楽しみ登ったくどーさんには少し物足りなさも感じられたのでした。

頭の直ぐ上を流れる雲が、白い山肌に影を落としながらゆったりと流れていく中、秋田焼山は日射しを受けて白く輝いて見えます。
雪の陰影も美しく、まだまだ山は冬の様相が強く感じられます。

雪の下から覗くコケモモやガンコウランを見ると、春が待ち遠しくなります。
その一方で、毛せん峠からの眺望は遠くの山並みが青く見えるようになり、春らしさも漂い始めています。

霧氷に覆われたダケカンバが白い国見台を更に白く飾っていました。
青空に霧氷が良く映えます。

眼下に広がるブナ林の中に、後生掛自然研究路が見えます。
後は、大湯沼を目指して山をゆっくりと下ります。

ブナ林の中では、深山の樹木に着生するスグリの仲間のヤシャビシャクや、キノコ、動物たちの痕跡などを観察しながら。

気付けばあっと言う間に後生掛大湯沼に到着。
ここは、活発な活動によって少しずつ西へと移動している大湯沼の最西端。
ボコンボコンとお湯の湧き出す音が響き渡ります。

長い行程でしたが、お天気に恵まれて春を迎えつつある山の様子を栂森の山裾から山頂付近まで見てくる事が出来ました。
イベント当日は、長かった冬から春へと向かう山の様子を肌で感じ取って頂ければと思っています。

     くどう