今年も冬山巡視が始まりました。この茶臼岳と八幡平周辺で3月まで行われます。
本日の予定は、国立公園内のスノーモービル乗り入れ禁止区域を示す看板の取付が主なものですが、猛吹雪の巡視となりました。登り口の御在所の積雪深は120~30㎝ほどだそうです。
今年もキャットのお世話になり、快適にここまでこれたものの、本当は降りたくなかったというのは正直な気持ち。それでも、ここからが本日のおいしいところ。行きます。
雪はパウダー、軽くて気持ちいいのですが、思いのほか風が強くて露出した顔の皮が厚くなりそうです。もちろん鼻歌は出てきません。「恵比須森」手前では、雪の量の関係なのかダケカンバが林立して、我々の進路を邪魔しています。
時折、陽がさしていい感じになるのがせめてものお楽しみ。茶臼岳はまるで見える気配はありません。
「恵比須森」に来たものの、眺望などは望むべくもありません。
風が止んで、薄く陽が射して、静かな森の姿が一瞬。
本日はこのあとにスノーモービル規制看板の取付があるので黒谷地方面には進みません。ひたすらなだらかな尾根を進みます。
ふと目についた雪の造形。もこもこで、どうしてこんな形になったものかと思いますが、思っただけ。
太った霧氷はトナカイの角のよう、風にさらされた冬芽が防寒用に雪のカバーを付けてもらったようだと感心しながら、一つ一つに旺盛な探究心と想像力が動きます。
積雪量が少ないことに比例して、ツリーホールも深くはありませんが、いたる所に。大きく迂回して右に寄ったり、左に寄ったり。落ちるとアリ地獄状態になるので落ちません。
相棒のウマさんが見つけた木。リンゴの木みたいだ、と。強風にあおられ、枝を水平方向に伸ばした、という姿のようです。今日がもし晴れなら、満開のサクラとでも言いそうです。風に耐えているダケカンバの姿に大いに感じるものがあります。
ようやく茶臼岳避難小屋に到着。視界不良のため、直前まで小屋が見えなかったのです。もちろん、そばまで来たのに、茶臼岳は顔を上げてくれません。
吹き付ける雪で小屋の冬期出入り口はすっぽりと雪で覆われていました。外気温、体感温度はどれくらいだったのでしょう。小屋に入った瞬間、温かみを感じて室内温度計を見ると-6度でした。風がないと違うんですね。
看板取付のため、二人で相談したわけではありませんが、暗黙の了解というヤツで、本日はここで戻ることになりました。
ツリーホールを避けて、再びジグザグを強要されています。ついつい歩きやすい方に向かってしまうので、緩やかな尾根を外さないように気をつけています。
雪よりも風が厳しかったのですが、寒くもなく、辛いとは思わなかったものの、スキー場エリアの近くになると、どこか”ホッ”としていました。
何とか無事に「御在所」到着です。
スノーモービル乗り入れ禁止区域の規制看板は、松川と柏台、松尾八幡平ビジターセンター、安比スキー場の4カ所に取り付けの予定です。すでに御在所の周辺ではスノーモービルのエンジン音を聞いたという情報がありましたが、この冬山巡視は3月まで続きます。次回は晴れでお願いしたいと思います。
あべ