9月10日(土)爽やかな秋風が吹く八幡平山頂周辺は朝から青空が広がり、アスピーテラインから望む眺望は少し色付き始めた山並みが広がっていました。
電動アシスト付き自転車で眺望を楽しみながら走る爽快感と、日々秋の気配が色濃くなってゆく八幡平の自然を満喫できるイベントになるはずです。

午前のコースは八幡平樹海ラインを下って蓬莱沼へ。
目の前に畚岳を見ながらパークサービスセンターを出発です。

ついつい下りはスピードを出してしまいたくなりますが安全第一でゆっくりと。
それでも風を切って走る心地良さはたまりません。

道路脇の待避所で雲海の上に浮かぶ岩手山を。

ギュッとブレーキを握りしめながら下る樹海ライン。
楽しくて仕方ありません!

e-バイクを降りて、木漏れ日の中を蓬莱沼へ。

ぬかるみに残されたニホンカモシカの足跡を見付けました。

蓬莱沼に到着。
つい、この間まで夏の大雨の影響で増水していた沼の水位も安定しつつあります。

この日参加者の皆さんにお貸しした双眼鏡は焦点距離が身近いタイプなので、遠くの物は勿論ですが近くの物を拡大して見る事が出来るのですが、これがとっても面白い。
アオイトトンボやルリボシヤンマの産卵も見られました。

水中をうごめく物を手ですくってみるとクロサンショウウオの幼体でした。
頭の大きさに対して体がまだ小さく、エラが体の外に見えています。

畚岳に向かう前に少し休憩。
この時期にしては日差しが暑いくらいですが、沼を渡るそよ風が心地好いです。

再びe-バイクにまたがり畚岳を目指します。
今度は上り坂になりますが、アシストで快適に坂道を駆け上がることが出来ます。
楽ちん、楽ちん!

畚岳ではオオシラビソの球果や立ち枯れた様子を見たり。

少し黄色味を帯びた畚岳、そして遠くの山並み。
オオシラビソの森からブナの森へと変化していく山肌を眺め、澄川地熱発電所や後生掛自然研究路なども見えます。
お天気が良いので、このままこの場所で一日を過ごしていたくなりました。

午後は八幡平アスピーテラインを走り大深沢展望台と田代沼へ。
左手に雄大な山並みを見ながら秋田県側のアスピーテラインを走ります。

大深沢展望台はパークサービスセンターから5分程。
めちゃくちゃ眺めが良いです!
「あの山は何?」「あそこに見えるのは何?」「向こうで紅葉しているのはミネザクラ?」などと、双眼鏡を使って色々と見るのが楽しくて時間を忘れてしまいそうです。

足元のオオバコには真っ赤に成熟したアキアカネ。
ヤマハハコも見頃です。

岩手山の上にモクモクと沸き立つ雲は…だいだらぼっち?
山に両手をついて立ち上がっている様に見えませんか?

美しい景色を堪能したら田代沼へ向かいます。
緩い下りの真っ直ぐな道路を下るのはとても気持ちが良いです。

田代沼周辺ではエゾオヤマリンドウが見頃を迎えていました。
花の中に出入りするハナバチの様子や、アオモリアザミの花の一つ一つを双眼鏡を使って観察です。

紅葉の始まったミネザクラにオオバスノキ。
オオバスノキは黒い実も見られます。

青空を飛んでいくのはホシガラス。
そろそろ冬を越すための貯食に忙しい時期に入る頃です。

双眼鏡で覗いて見つけたのはカエルになって陸に上がったばかりのシュレーゲルアオガエル。
めっちゃ可愛ーっ!

アズマヒキガエルも見付けました。
ちょっと威張っているような顔つきが何とも言えない。

色々と観察した後はアシストの力を借りてパークサービスセンターへ戻ります。
青空へと続く道をスイスイ。

今回のイベントは初めての試みでしたが、国立公園内をeーバイクで移動しながら自然観察が出来るというもの。
風を感じて自転車で走る爽快感と、上り坂での電動アシストの軽快感を楽しめ、焦点距離の近い双眼鏡を使っての自然観察はミクロの世界に引き込まれていきます。
今後も内容を充実させ、楽しいイベントを作り上げていければと思っています。
あと、このタイプの自転車で走っていると、行きかう車の皆さんの注目を集めてしまうのが個人的にはツボでした。

     くどう