本日は茶臼岳2回目の巡視。出発地の鹿角は晴れ、期待をしてはいけないと思いつつも、もしかすればと考えてしまうのは人情、でも、やっぱり・・・

御在所はどんよりした天気で、風があります。期待してはいけないとは思っていましたが、途中まで見えていた青空はどこに行ったのでしょう。

本日もキャットを利用して「恵比須森」鞍部まで来ました。時間の短縮は喜ばしいことなのですが、正直なところ、窓の外に見える強風に雪が吹き飛ばされる景色にもう少し、キャットに乗っていたい気がします。

ザックからニット帽とゴーグルを取り出しました。手が冷たい・・・

それでも、風がやんだらいつの間にか青空が広がっていて、ほほ~と喜んでみたり。右から伸びているダケカンバの枝は、積雪の関係からか、まだ高いようです。

「恵比須森」に到着。風が出ると雪が飛び、景色が見えなくなってしまいます。西側の斜面は見えません。

前回はここで、西側の斜面にスノーモービルのトレースを見て、確認に行ったのですが、「この辺りは連続して三日ほど吹き荒れた。今日が一番いい日だ」とキャットのスタッフの方が話していましたが、風が強いので、今日は黒谷地方面には行かないことにします。

西側から吹く風は、オオシラビソの根元を通り抜けて、こんな景色を作ります。盛り上がった場所のことを”ウネ”とか”ウネリ”とか言ってますが、これが結構くせ者なんです。

風上側にできたツリーホール。この時の視界は悪くはなかったので余裕で回避しています。このツリーホールの深さは1m+ほどですが、この深さは様々で最大3mほどのツリーホールもありました。一人で落ちたら大変です。

ダケカンバの枝が露出している登山道を逃げて、オオシラビソの樹林に入ると、ウネとツリーホールの連続。目指す方向は正面なのですが、ウネを越えたらウネと並行に進んで、越えれそうな場所を探して越す、という繰り返し。

天気のことなど、もうどうでもよいのですが、戻りの行程ではこのウネは困ったことになりそうな気がします。

「茶臼山荘」に到着。もちろんこの天気では誰もいません。貸し切りです。

巻き上げられた雪は、小屋の冬期入り口を半分ほどふさいでいました。

小屋に入った瞬間は”暖かい”と感じたはずなのに、室内の温度計は-11℃でした。風がないだけでこんなに違うのですね。

見慣れたこの道標の高さは、雪のない時期の高さとそんなに違わないと思います。雪が風で吹き飛ばされるので積もらない、ということですね。

小屋から「茶臼岳」は全く見えません。今日はその姿を一度も見ていません。でも、本日の巡視はここで戻ることにして、スノーモービルの登り口に取り付けた三カ所の規制看板の確認に行こうと思います。

ツリーホールをさけて、尾根の”ヘリ”を進んでいますが、これも視界不良の中、小さなウネが連続して何度か転倒してしまいました。

この辺から登山道に戻ろうとしていますが、これもまた、ウネとツリーホールで難儀!

ようやく、登山道に戻り一安心ですが、この視界不良ではスキーのシールを外す気にはなれず、キャットのトレースの脇を滑り降りています。

気温は上がらないので、雪質は最高。御在所が見えるあたりで、視界がいくらかよくなってきたな、と思っていたら、

気がついたら、いつの間にこんな青空?最後の最後に、ほんのご褒美?

まあいいか、何とか降りてくることができたのですから。

このあと、松尾ビジターセンター脇と柏台の旧ジープ道入り口付近、そして松川温泉の登山口に取り付けたスノーモービル乗り入れ禁止の規制看板の確認をして、車内が温まるにつれ、多少の睡魔に襲われながらも、本日の任務終了となりました。

   あべ